- 2018年1月4日
【御蔵酢の存在意義】
2018年1月4日仕事始めの朝です。
皆様、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
昨年秋に収穫の新米の寒仕込みが始まっております、玄米を蒸しているところでございます。
年始に思うことを書こうと考えておりましたが
弊社の存在意義について改めて原点に立とうと、心を引き締めた次第です。
我が社は、ある事情のもと、創業者が会社を手放し、その後代表者も複数代わりました。
販売先をなくし、新しく現在の、御浜町の蔵で作り始めた大量の酢を貯留したまま会社は倒産してもおかしくない状態でした。
しかし、今、なんとか会社を建て直そうとしております。
どうにかこの大事に作られたお酢を一人でも多くの皆様に知って頂きたいと宣伝しているところでございます。
麹室内の様子です。蒸した玄米に麹をつけて麹室で寝かせています。すやすやと休んで・・・いるかと思えば夜中に泣き出してしまうような赤ちゃんのような瞬間もあります。
温度が上がりすぎても下がりすぎても機嫌を悪くするようです。
こうして我が子を育てるように一から手作りでお酢を仕上げます。
会社の歴史はございませんが、製法を習い受け継いだ者と、今から研究して新しい知識と技術を取り入れようとしている者が切磋琢磨しております。
お酢の味が酸っぱいだけではなく、深みもまろみも味わいもあるものだと、私自身が覚えたことを皆様に知って頂きたいと紹介して回っています。
今は【玄米酢】と【酒粕酢】を造っております。これらは【穀物酢】と定義されます。
そのうち、手作りの【果実酢】にチャレンジする予定であります。
容器の中身は酒粕、でございます。
熟成させた酒粕が褐色変化して、赤い酒粕ができ、赤いお酢が出来ます。「赤酢」と呼ばれる理由です。
木桶の表面には「酢酸菌膜」が張り始めました。
麹とか、酵母とか、発酵とか、まさに微生物、菌、の生きている世界です。
さわぐ声を聞いて職人はなだめすかして育ててくれています。
自分達の思った以上に良い出来映えのお酢が出来るときもあるくらいです。
お酒や醤油、味噌の世界も同じですね。
我が社のお酢でなくても、美味しいお酢の製造業はたくさんあります。
我が社の存在意義はなんであろう。と思った時に、
世の中に必要とされるお酢を作りたい。それだけを守ろうと誓いました。
今まだ知られていない会社を知ってもらいたい。
改めて気を引き締めて頑張ろう、と思います。
木桶の傍で職人が何かを話せばお酢がその言葉を聞いている、と言っていました。
私の悪口かしらん?と思ったこともありますが。美味しいお酢が出来上がっているので、きっと美しい言葉だったに違いありません。バラを育てる農家がハウスの中でシューベルトを流していると聞いたことがあります。理にかなっていると優に想像できます。
三重県、紀伊半島の南の方、御浜町に製造蔵はあります。
小さなガレージの中で、小さな桶を並べてお酢を作っています。
決して立派な蔵ではありません。見学に来てくれたアメリカ人のお客様が「ガレージ」「ブリューワリー」と呼んでくれたことを気に入っています。まさに醸造所です。
この御蔵酢のできる醸造所に是非ともお出かけください。
実はまだ、看板もないのですが。。。
世の中で、MIKURAのお酢でなくてもいいけれど、MIKURAのお酢がいい、と思ってくださるお客様のために。
今日もまた美味しいお酢を造り続けよう、と、ものづくりの喜びと責任を感じております。
年末年始。みなさま、飲み過ぎ食べ過ぎではないですか。
代謝の上がる、血行を促進する、整腸作用と、風邪予防にオススメです!
どうぞお味見ください。
改めまして、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
御蔵酢醸造元 株式会社MIKURA
代表取締役 伊藤志乃