- 2022年12月25日
お酢をつくる会社
三重県多気郡多気町にVISONはあります。ご来店くださったお客様ありがとうございます。
まだ知らない、というお客様、機会がありましたら一度三重県にお越しください。三重県にはいろいろな観光地があります。その中に(美しい村という音を表現した)VISON (ヴィソンと読みます)という商業施設があります。
広大な敷地の中に多くの建物が独立して配置されており、MIKURA Vinegaryも、その一角にあります。
https://vison.jp/article/?id=378
VISONのホームページでも紹介を頂いたのですが、
このMIKURA Vinegaryという店は、2021年に異業種が参入した大変新しい会社です。当社をご存知ないお客様がほとんどですが、代表は、まったくの素人で、赤字まっかっかの会社建て直し。(お酢がこんなに厳しい世界だと知っていたら手は出さなかった!!!)とにかく自分が何も知らないところから始めたので、営業も製造も、一から勉強することに。
三重県には現在お酢の製造会社が五社あります。全国食酢協会に入っている二社のうち、三重県四日市市にあるカクタ酢(田中増治郎社長)に教えを請うて、製造を勉強しました。MIKURA Vinegaryには、こちらカクタ酢から譲って頂いた(・・・というよりも「社長、この木桶ください!」ともらってきた)お守りの木桶があります。
カクタ酢は明治21年創業。増治郎社長は私の祖父と同じ年齢、大正生まれです。本当に知識と情報と教養が豊かで、学ぶことがたくさんあり、心から尊敬しています。研究心も向上心も50歳先輩とは思えないほど(わたしよりも)パワフルで本当にすごいです。
学ぶほど、知れば知るほど、醸造の奥の深さ、微生物と共に生きること、醗酵とは人間が簡単に操れることではないという面白さと不便さ。を覚えます。人間が計画を立てた予想ぴったりにはできあがりません。けれど、想像以上に美味しくできあがることもある。
教わることはマニュアル、手順ではなく、いわばお酢の作り方ではなく、どうすると、酢酸醗酵は進むのか。という理論です。本にもお酢の作り方、は載っています。おそらくお酢を作ってしまうご家庭もあるでしょう。酸度測定も試薬があれば調べることはできます。酒税法と違って、お酢を作っていけない、ことはないです。製造過程にアルコールが生成している場合、まぁ細かいことは言いません、現場を追求できないし、それにお酢のためのアルコールは飲んでも美味しくないことを醗酵研究マニアは知っています。醸造酢は規定酸度4.0%以上ですが、江戸時代の「酢」と呼ばれるものは酸度3%ないくらいだったと言われます。
機械生産でない酢酸菌の活動を知る。ということ。そこには別の常在菌との戦いもあります。彼らもまた生きているわけです。コロナのウィルスもそうですよね。そうやって菌、の存在とともに暮らす。無菌状態でも生きてはいけない。
そう言えば、以前ブログにも書いたことですが、塩基配列、お酢にもDNAはあります。
譲ってもらった種菌をあらたに培養することで新しい、その会社独自の酢が生まれます。
とても興味深い話ですので、読んでみてください。
https://mikurasu.jp/blog_detail/1207.html
今、MIKURA Vinegaryでは山梨県産の葡萄からできた葡萄酢(=マスカットベーリーAの赤ワインと、甲州からできた白ワイン原料)が新発売。
3年かかってあたためてきた葡萄酢が誕生しました!
このお話はまた改めて。
この葡萄酢も機械で作る高酸度酢でなく、桶で作る静置醗酵でとっても優しい味です。
私たちは日々研究します。多くのお酢メーカーがある中で、あそこの会社は美味しいしお酢はいろいろ好きだけど、MIKURAって知らなかった。というステージから、MIKURAのお酢も好き。お料理に欠かせない。と選んで頂けるように努力してまいります。
美味しいものを食べるとき人は笑顔になる。
そんな明るい暮らしの中に、MIKURA Vinegaryの爽やかな清らかな一点の曇りもない透き通った健康的な風が吹き抜ける。そういう会社でありたい。
歴史は短く、伝統はないけれども、これから築いていきます。
売れない芸人を若い時から応援していた。
幕下力士の実力を最初から見抜いていた。
そんなタニマチ、ご贔屓さんがたくさん増えてくださるように。
あの会社は伸びると思ってた。なんか面白いことやりそうだと思ってた。
そんな話題になるようなメーカーになります。
2023年も継続して美味しいと思って頂ける商品を発信し続けます。
応援してください。
MIKURA Vinegary
株式会社トーエー
伊藤志乃